こんにちは、ザキナナです。
今回は膝についていろいろまとめてみました。結構苦手な方、多いと思うんですよね。
膝の曲がる角度による見え方、膝蓋骨の位置なども解説しておりますので、骨格を考えた脚周りを描きたい方の参考になれば。
筋肉や骨格を知っておくと彩色するときにも役立ちますよ~。
正面から見た膝の構造と見え方の覚え書き
脚を伸ばしているとき、膝は複雑な隆起をしています。これは肉付きなどによって個人差があるため、形でなく配置で覚えた方が良いです。
あまりリアルに描きすぎるとかなりマッチョに見えますので、あっさりと描くなら膝下の段差に線を入れるだけでも十分かもしれません。
ただ、よく膝は逆ハの字に描けばいいと言いますが、男性らしい骨っぽさを出したいときはもう少し描き込んだ方がいいと個人的には思います。このあたりは描きたいキャラによってですね。
私は脛骨粗面を描きたがる人間ですが、これも骨っぽさを出したいがためです。この辺はお好みでどうぞ。
曲げた膝の見え方と覚え書き
膝を曲げると、膝蓋骨が目立たなくなります。
大腿骨には頸骨と接する側に二つの出っ張り(内側顆と外側顆)があり、その間にある顆間窩(かかんか)というくぼみに膝蓋骨が適合するからです。
脚を深く曲げれば曲げるほど、顆間窩のくぼみも深くなり、膝蓋骨がはまり込んで凹凸が目立たなくなります。
ちなみに膝蓋下脂肪体は柔らかいため、膝を曲げるとすぐに骨の隙間に入り込んで目立たなくなりますので、曲げた脚のときには考えなくて大丈夫です。
角度による見え方を厳密に覚える必要はないと思いますが、少しでも知識として持っているとイラストを描くときに迷いが少なくなりますよ~。
膝蓋骨まわりについて(理解を深めるための補足です。読み飛ばしOK)
図にある膝蓋靭帯は、膝蓋骨と脛骨粗面を繋ぐ靭帯です。
伸縮はせず、脛骨と一定の距離を保っています。
つまり、膝蓋骨と脛骨は重なりません。
膝蓋骨は、大腿骨とだけ重なります。
それは膝蓋骨が膝の関節を守るクッションである他に、太ももの筋肉の腱を守る役割も持っているからです。
膝蓋骨がないと、大腿骨四頭筋腱が脛骨粗面と直につながることになります。すると脚を曲げるたびに大腿骨に筋肉の腱が擦れて摩耗し、傷みやすくなってしまいます。
そうならないように膝蓋骨が大腿骨のでっぱりに接触する役目を担い、腱の摩耗を防いでいるわけですね。
つまり、膝蓋骨は膝を曲げたとき、大腿骨に当たる腱の摩擦を少なくするための位置、角度になるということです。こう考えるとわざわざ角度による見え方を別々に覚えなくてもよくなります。
こんな感じで骨や筋肉の働きを知ると、体を動かしたときのそれぞれの見え方が理解しやすくなりますので、良かったら覚えてみて下さいね。
曲げた膝のざっくりとした描き方
曲げた膝は、4つの点でできている「面」と考えます。
面と言っても凹凸はあって、膝蓋骨が少し張り出しており、脛骨粗面は脚を曲げた角度によって脛側に引っ張られます。肉付けをするときはそのあたりを加味して下さい。
今回のアタリも筋肉ごとに分けて描いています。
筋肉の付き方によって太さなどはもちろん変わってきますので、ご自身の好みで調整して下さいね。
筋肉配置さえ守れば、どんな体型にも応用が利くはずです。
とにかくいろんな角度を描いてみることをおススメします!
目で見るだけよりも、やはり手を動かした方が覚えは早いですよ!
膝裏の見え方と覚え書き
膝裏は筋肉だけを見ていると失念してしまいますが、脂肪が存在しています。
これは直立した時だけ盛り上がり、脚を曲げると骨の隙間に引っ込んでしまいます。
膝裏はハの字を描けばいいと言われますが、できれば線を入れる位置も適当ではなく、筋肉を考えて描いてみて下さい。
余談ですが、この脂肪体のことを膝窩脂肪体と書きました。これは「スカルプターのための美術解剖学」の本から引用させていただいたものです。
ただ、他のどの本やサイトを見てもこれについて言及しているものがなく、この名称で合っているのか裏付けが取れていませんので、それだけご了承下さい。
↑それでも足を伸ばすと膝裏が盛り上がるのは間違いなく、イラストを描く分には問題ないと思いますけどね。ご自分の体も見て、膝の裏側がどう盛り上がるか確かめてみて下さい。
ちなみにここまで全部ですが、分かりやすく説明するためにかなり図を簡略化しています。
腓骨を省略していますし、大腿骨も本来は内側と外側ででっぱりの形が違います。
もっとちゃんと知りたい! という方は、ぜひきちんとした本やサイトを見てみて下さいね! 興味を持って眺めると、とても勉強になると思います。
以上、膝の覚え書きでした! お役に立てたら嬉しいです。
今回も参考にさせていただきました↓
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