こんにちは、ザキナナです。
今回は男性の腕の筋肉によるシルエットの違いを理屈こね回して書いています。
ただの円柱の腕では物足りない方、しっかりと筋肉の位置を考えて描きたい方向け。
こうすれば筋肉がお手軽にそれらしく描けます、というたぐいの記事ではありませんのでご了承ください。どちらかというと真逆の記事です。
角度による腕の太さの見え方、骨の動きなどを私なりに解説しております。
二の腕の見え方、考え方、描き方
二の腕は正面から見た時と横から見た時で太さが変わります。
普通に体側に手のひらを付けた状態の時、正面には上腕二頭筋が来ます。そして上腕三頭筋は真後ろに回ります。二つの筋肉が縦に重なるので、この時の二の腕が一番細く見えます。
そして横から見ると、上腕二頭筋と上腕三頭筋が横に並んだ状態になります。この二つの筋肉の厚みで、横からの腕は太く見えるのです。
では肩や腕を動かしていろんなポーズをしている絵を描く時、二の腕はどうみえるのでしょうか。
それを確認するには、肘の位置を見ます。
上腕二頭筋は肘を屈曲させる筋肉ですので、必ず肘の内側に位置します。
肘を曲げると収縮し、伸ばすと緩みます。
それに対して、上腕三頭筋は肘を伸ばしたり、ものを押すための筋肉です。そのため、肘と同じ側に位置します。
肘を曲げると緩み、肘を伸ばすと収縮します。
そう考えると、絵を描いた時に肘が背中側にあれば二の腕は手前に上腕二頭筋、背面に上腕三頭筋が重なって見える位置になるので、細く見えます。
腰に手を当てたりして肘が外横を向く時は、上腕二頭筋は体側を向き、上腕三頭筋は外側を向き、二つの筋肉が並んで見えるので太く見えます。
そして肩を無理に回旋させない限り、肘はこれ以上前に来ませんし、内側にも回り込みません。
二の腕に関してはこれだけ覚えておくと筋肉の位置を大きく間違うことはないと思います。
上腕と前腕について
次は、二の腕と前腕のつながりについてです。
手のひらが前を向く時は肘が後ろを向くので、二の腕は細く見えます。そして前腕は太く見えます。
この時、前腕は尺骨と橈骨が横に並んでいる状態だからです。
手のひらが後ろを向く時は肘が横を向くので、二の腕は太く見えます。そして前腕は細く見えます。
この時は、尺骨と橈骨が重なって見える状態だからですね。
こちらは二の腕の向きさえ間違わなければ自然と決まります。
よく腕のつくりは鎖に例えられますが、まさにそんな感じで太さを互い違いにすれば大丈夫です。
ただし、これは二の腕と前腕のつながりの部分までの話。
そこから先のシルエットは、手首の動きによって変わってきます。
前腕の回旋について
前腕には尺骨と橈骨という骨がありますが、尺骨だけだと腕は曲げ伸ばししかできなくなります。
腕を回旋させるのは、橈骨の働きということですね。
橈骨は上腕骨と球関節でつながっていて、とても可動性が高い骨です。尺骨とは車軸関節でつながっており、横回転できるようになっています。
橈骨は親指側の手首につながり、尺骨は小指側につながることも覚えておきましょう。この位置関係を覚えておくと、前腕の尺骨と橈骨の重なりによるシルエットの違いを絵に活かせます。
是非、ご自分の前腕を見ながら確認してみて下さい。
回旋による尺骨と橈骨の位置によって、腕の見え方、厚みや幅がだいぶ変わるのが分かると思います。
肘を曲げた時の前腕の見え方について
肘は尺骨の一部です。つまり前腕に属するのです。
今回の角度だと、前腕をメインに描けばいいということですね。
この場合、尺骨の位置を基準にして腕を描いていきます。
尺骨の両端には肉が付かないため、後で肉付けした厚みで見た目がズレる心配がありません。ここを基準に先に比率と位置を決めてから肉付けをすると楽です。
肘の近くは折り曲げた腕に筋肉が潰されて、少し幅広になります。
ごっつりマッチョでなければ、前腕にはそれほど筋肉の凹凸はいらないかなあというのが私の持論(もちろん好き好きです)。
それよりも個人的には男性の前腕には骨の筋が見えて欲しい派です。
骨ばっていて男らしい腕を描くなら、是非尺骨の形を意識した描き込みをしてみて下さい。
筋肉の勉強用に、とうとう買ってしまった……!
高かったけど、後悔全くなし! もっと早く買えば良かった……!
体の造りをしっかり理解したい人には超おススメです。目からぽろぽろ鱗が落ちる……。
「こういう動きを描きたいんだけど、この筋肉はどう動くんだろう?」というのを調べたい中級者さん向けかも。筋肉の画像すごくいっぱいあって助かります!
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