こんにちは、ザキナナです。
今回は私がやってきて効果の高かったイラスト練習方法のひとつをご紹介したいと思います。
出来上がった絵がイマイチな出来になる、描いてもあまり上達している気がしないという方に向いている練習かもしれません。
自分の絵の細部に目を向け、弱点を探して文字化する作業が中心です。結構疲れる練習ですが、やって損はしないと思いますので興味のある方はぜひ試してみて下さい。
ちなみに私が1年でどのくらい上達したかはこちら↓
まずは練習をするための準備
まずは見本や参考となる資料を準備します。
上手に描けたら絶対嬉しい推しの資料、こんなふうに描けたら最高な理想の絵師のイラスト、ウチの子にこんなポーズさせたいというテンション上がる写真。
とにかく描くのに労力を惜しまないという対象を参考にすると良いですね。
そして練習なので描き慣れた構図や表情ではなく、あまり描かない、もしくはちょっと難しいものに挑戦しましょう。その方が大変だけど気付きと成長が大きいです。
次に必要なのが時間。
この練習では3回の見直しがあるのですが、できれば描いた絵は少し時間を置いてから見直すと良いです。そのためのインターバルが必要になります。
自分の絵を客観的に見るのが目的なので、その間は全く違うことをして頭をリセットしたいところ。
1ステップごとに日を変えてしまった方がやりやすいかもしれません。
弱点を直視するメンタルと根気は、上達したいという熱意があれば問題なし!
そもそも弱点を直視したくない人は上達できないし、本気で上達したいと思っていないと思うので。
最後に、メモかノートを用意してください。
できればイラスト専用の気付きノートを作ることをおススメします。
絵のことで気付いたことは何でも記入する。これ、ものすごい宝物になりますのでぜひ!
ここまで準備ができたら、さっそく描いてみましょう!
①アタリを取ってラフを描く
まずはアタリを取ってイラストを描きます。
この方法に慣れないうちは模写でもいいです。描いた絵と見本を比べやすいので。
慣れたら見本を参考に自分の絵で描いてみて下さい。
特に力を入れて練習したい部分を、雑でもいいので納得できるまで描き込みます。
鉛筆の消し跡などもここでは気にせず、ガシガシ描きます。
絵の雑情報量が増えることで脳が勝手に良い線を選び取ってくれるので、なんだか良い感じに描けた気がするはずです。それでOKです。
なぜなら、その雑多な線の中に確実に自分の理想の線があるから。
次から、その線を選び出す作業をしていきます。
②アタリを消してイラストラフを見直す
アタリを消して、描いたイラストを見直していきます。
情報量が減ったせいで、さっきまで良い感じだったはずの絵に粗が見えるようになります。
さて、どこがおかしいのでしょう? それを集中して探していきます。
模写をしているなら、率直に見本と並べておかしなところを探しましょう。
自分の絵で描いている場合、自分なりのアレンジをした絵のどこが見本と違うのか、それによって絵が崩れていないかを見ることで、根本的な弱点を見つける助けになります。
アレンジだと思っていた描き方がただの手癖だった、なんてこともあります。
絵柄を変える気がないという場合でも、自分の描き方に固執せずに一度訂正してみて下さい。新しいものには発見があります。これ大事。
左右反転をしたり、画面から離れて全体を見てみたりしながら、どんどん違和感を探しましょう。
見直しをして見つけた弱点は、メモかノートに書き込みます。
これは必ず文字化してください。分かりやすいように絵を付けるのももちろん良いですが、必ず文字による説明をつけること。
それも、「●●がおかしい」という曖昧な書き方ではなく、できるだけ「●●が□□になっている」という明確な書き方をします。
前者だとどう直していいのか不明ですが、後者はすぐに分かりますよね。
たとえば上の私の絵だと、「左目が離れている」と書いてあれば、「じゃあ左目を右に寄せればいいんだな」とすぐに分かりますし、さらに何度もこの文言がノートに記入されるようであれば、「私は左目が離れやすい」と認識できて、訂正できるようになります。
これが根本的な弱点の修正につながるわけです。
絵がどこか違和感があるのは分かるけど、どこがおかしいのか分からないという場合は、時間を置いてみます。
一度頭をリセットするために他のことをしたり、休憩をして一旦描いた絵のことを忘れましょう。
数時間離れて少しでも客観的になれると、絵の粗が見つかるようになります。それを文字化し、ガシガシ直していきましょう。
どうしても分からない場合は次に進んで大丈夫です。
そのあとは文字化した修正点をもとに、ラフを納得いくまで直します。
訂正しすぎて線がわけわからん状態になったら、同じ絵を完全に描き直してしまうのもアリです。
私も消しゴム跡が増えすぎた時によくやります。
納得のいくラフができたら次に行きましょう。
③ラフをもとに線画を整理してさらに見直す
先ほど描いたラフから線画を起こします。
ラフよりさらに情報量が減ったため、直したはずの絵に再び新たな粗が見つかります。
今度も左右反転などしながら違和感を書き出していきましょう。
ノートに書き写すときは、後から自分で見ても分かりやすいような汎用的な表現で書きます。
……上の絵の中で「バランスがおかしい」という曖昧表現しちゃってますが、ノートにメモするときには「左右の目の構造が合っていない」に書き換えてあります。訂正し忘れスミマセン。
違和感があるのに原因が分からない場合は、ここでも時間を置きます。
今回は、その理由を見つけるまで寝かせて下さい。だいたい1日2日あれば気付きがありますが、何なら1週間くらい置いてもいいです。
その間に他の練習をしたり、いろんな絵師のイラストを見て目が肥えると、必ず違和感の正体を見つけることができます。ここが確実な成長点です。
ここのメモを忘れずに!
④線画を訂正して完了!
最後に、線画の違和感部分をガシガシ直して終了です! お疲れさまでした!
ちなみに、このイラストは必ず取っておきましょう。
今は納得の出来でも、数か月後に見るとやはり粗が見えたりします。そこで見つけた違和感もノートに取って、さらに描き直すと自分の上達具合が分かってモチベーションが上がりますよ!
まとめ
この練習によって、いつもは見逃してしまう自分の絵の歪みを見つけ、弱点を文字化して明確にすることができます。
考える部分がいっぱいあって描き直しも多い疲れる練習法ですが、その分ただ量をこなすよりもずっと上達が早いです。
短時間で高負荷をかける筋トレに近いかな?
大体週一から月一程度で十分なので、ぜひ続けてみて下さい。
模写だとだめですが、描き上がった自作イラストに色を塗ったりしてTwitterやpixivに上げると、コンスタントな更新をする目安になるのでおススメです。
ちなみに見直しは、絵に直接違和感の文言を描き込んでプリントアウトしてノートに貼ってしまうのが一番分かりやすいかも。でもインクや紙代もあるし、何よりかさばるんですよね……。
余談ですが、この練習法もPDCAです。
- Plan……資料を集めて描く絵を決める
- Do……実際に描いてみる
- Check……見直しをして問題点を探す
- Action……描き直して改善する
このPDCAサイクルは本当に何にでも有用なので、ぜひとも使ってみて下さい。
私のPDCAのバイブル↓
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